今回は少し趣向を変えまして、今月発売された「ONE PIECE」(ワンピース)最新88巻を買ってまいりましたので、今回はその感想やらちょっとした考察を書いていきたいと思います。
このブログで漫画の感想書くのは(おそらく)初めてだと思いますが、生暖かい目で見守っていただければ幸いです。
例のごとくワンピース88巻までのネタバレ満載なので、未読の方はブラウザバックを推奨します。
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海賊団最強の戦士VS最悪の世代
シフォン、プリン、そしてサンジの3人がウェディングケーキを作っているカカオ島へ向かうサニー号を無事出航させるべくルフィは単身鏡の中の世界「ミロワールド」に残り、カタクリとの一騎打ちに臨む。
しかしブリュレ曰く、カタクリは生まれてこの方地に背を付けたことがなく、地面すらも見下す無敗の男。 覚醒したモチモチの実の能力と少し先の未来を見通すまでに研ぎ澄まされた見聞色の覇気を武器に、ルフィを完膚なきまでに叩きのめす。
ルフィを自身の能力で生み出した餅で生き埋めにし、日課(より40分遅れた)の「おやつの時間」(メリエンダ)で1人静かに社の中でスイーツを食す。
専属のパティシエたちはリラックスできるティータイムですら気を抜かず精神集中の時間に費やす、まさにカタクリ様は完璧主義者と感心していたが、ルフィが餅を食ったことで脱出、見聞色の覇気?でカタクリの気配を察知し、社を破壊するとそこにいたのは…
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頬まで裂けた口を大きく開き、地べたに横たわりながらドーナッツをほおばるカタクリであった。
すなわち、カタクリが1人おやつを食していたのもこの裂けた口を隠すため、そして完璧な自分を忘れ心置きなくリラックスするだらしない姿を見られないようにするためであった。
自身の真の姿を晒されたカタクリは激怒、その場にいたパティシエでさえ手にかける。
唯一自分らしくいられるリラックスタイムを邪魔されたことで冷静さを欠いたカタクリは見聞色の覇気を発動できなくなり、これまで容易く回避していたルフィの攻撃をよけきれずついにダメージを負ってしまう。
今まで無敵だと思われていたカタクリも弱点を見せ、ルフィにもついに勝機が到来!
がしかし、覇気を使いすぎると精神的にも体力的にも疲弊するのはルフィも同じこと。 ギア4の時間切れが訪れ、再び覇気が使える状態まで回復するべく、たまたまミロワールドをうろついていたブリュレの能力で万国中を駆け回る。
ルフィは長期戦に持ち込むことでカタクリの集中力を削ぐことで見聞色を弱らせ、倒す作戦で再び戦いに挑む。
仲間が無事に四皇の縄張りを突破できるように、そして自身より格上の相手に勝つことで覇気を研鑽するために。
戦いが長引く中でお互いの覇気がどれだけ続くかが勝敗を分けるカギになりそうですが、実はもう1つ、ルフィが勝利するために必要なカギがもう1つあります。
それは「食べる」ということ。
実際にルフィが「どうなってんだ!!ここの海賊の戦いは! 物食わななきゃ勝てねぇのか!?」と叫んでいるように、お菓子大好きなリンリン率いるビッグ・マム海賊団は飲食物に関する能力を持つクルーが何人か存在します。
誘惑の森で戦った将星のクラッカーもビスケットを無限に生み出せるビスビスの実の能力者で、どんどん生み出すビスケット兵をナミの降らせる雨でふやけさせ、それを喰らって巨大化することでようやく勝利にこぎつけました。
奇しくもカタクリも餅を自在に生み出し操るモチモチの実の能力者。 実際にルフィも餅を食べまくることで拘束から抜け出しましたし、「食べる」という行為自体も打倒カタクリの重要なポイントになりそうです。
迫りくる四皇の恐怖
一方のサニー号サイド。 ペロスペローのウソでウェディングケーキは麦わらの一味が盗んだと吹き込まれたビッグ・マムは一直線にサニー号へと進撃する。
彼女ら含めた海賊団の猛攻から逃げるサニー組も見どころの1つで、一言で言うと「各々のメンバーが大活躍」と言った感じ。
ナミはルフィの逃げ場がなくなるからと船内の鏡を割るのをためらうクルーに対し「船長命令よ!」と一喝し、リンリンの能力で擬人化したキャンディで発生させた高波も、ジンベエの操舵技術で見事「グリーンルーム」に潜り込むことで見事回避に成功しました。
そして中でもインパクト抜群だったのがキャロット。 陰りの無い満月の光を浴びることで心の奥底に眠る野生の本能を呼び起こした「月の獅子」(スーロン)で、髪としっぽが長く伸び、目も真っ赤になりスピードと攻撃力が上昇。
このスーロンはミンク族全てが持つ変身能力だが、本来ならば一度変身すると自我を失い暴れ続ける上に激しく疲弊し一晩で死に至る諸刃の剣。 ペドロの自爆を見たキャロットも、並々ならぬ覚悟を決めたうえで発動したに違いない。
キャロットをはじめとする銃士隊などの熟練の戦士たちは訓練によりこのスーロンを制御し、条件さえ揃えば短期間で相手を無双することのできるこの上ない戦力として活躍できるわけです。
スーロンとなったキャロットはその名の通り暴れる美しき獅子。 目にもとまらぬスピードで敵船の舵輪を破壊し、ビッグ・マム海賊団の艦隊を舵をきかない状態にして圧倒し活路を開く。 ブルックもそんな彼女の戦闘をサポートしました。
だがここで、8時間以上も食いわずらいに苦しむビッグ・マム(心なしか痩せてる)がゼウス、プロメテウス、ナポレオンを引き連れサニー号に乗り込む!
一難去ってまた一難、場合によっては船の乗り捨ても覚悟しなければならない超危機的状況を、5人の海賊はどう乗り切る?
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史上最強のケーキ
所変わってこちらはカカオ島のスイーツ工房。
食いわずらいのビッグ・マムの暴走を止めるため、そして愛すべき旦那とその仲間のピンチを救うべく、プリン、シフォン、そしてサンジはビッグ・マムが気絶するほどの最強のケーキ作りを開始。
ここでサンジの最強とも言うべき料理スキルが遺憾なく発揮されました。
空飛ぶ絨毯のラビヤンに隠れている間にケーキの設計図を描き、それも形だけでなく香りや味、そしてシュトロイゼンの考えた隠し味まで完璧にメモしてあったのだ。
そしてホールケーキアイランドの31人の料理長「WCI31」とともに急ピッチでケーキ作りに取り掛かる。
サンジにべた惚れしてしまったプリンも、チョコレートのマウンティングや、自身の能力での記憶の書き換え(サンジが裏切りの共犯者であることを隠すため)でサポート、シフォンもふんわり大臣としての手腕を生かし最高のシフォンケーキを作り上げる。
そしてここにサンジの「秘策」、甘さの真骨頂とも言うべき最高の生クリーム「シムシムホイップ」を使うというのがこのウェディングケーキ作りの行程なのですが、このホイップクリームがとんでもない。
その出来たるや、一口つまみ食いしようもんならあまりのうまさに昇天しかけるほど。
料理長やこの好機にまたもや暗殺を目論むベッジでさえこの有様ですから、これをビッグ・マムが食したらその感動は想像を絶するものになりそうですねw
まさかサンジの料理テクがここまで卓越していたものになっていたとは…カマバッカ王国での攻めの料理バイタルレシピを手に入れているとはいえ、それを現実にしてしまうのは本当にサンジは化け物ですねw
そしてこのケーキ作りシーンのもう1つの見どころ(?)がサンジに惚れているプリン。
サンジがかっこいいところを見せるたびに熱を出したり倒れたり、焼け焦がれたり鼻血出したりと、相変わらず「恋はいつでもハリケーン」と言わんばかりに感情の裏返しがすごい。
ここまでサンジに本気で恋しているなら、政略じゃなくってガチで結婚の一歩手前まで行ってしまいそうな気がしますね。 ビッグ・マムの一件がひと段落した後、プリンはサンジについていくのかそれとも…?
ウェディングケーキに話を戻すと、ケーキの原型が完成し、後は船上でデコレーションしつつビッグ・マムの元へと目指す計画だったのだが、シフォンがベッジの裏切り行為に加担したとして処刑されそうになる。
しかしここでシフォンの父親であるパウンド(とサンジ)が助太刀に入る。 そこへ愛する妻の奪還のためにやってきたベッジ率いるファイヤタンク海賊団も到着。
サンジが自慢の足技でケーキをベッジの船に乗せることに成功し、オーブンも自身のネツネツの実の能力で妨害しようとするも、パウンドが再び妨害したことで無事カカオ島を出港することができた。
シフォンとローラが誕生した瞬間にパウンドは用済みとして捨てられたため、シフォンは父親の顔を知らず、度々救ってくれる謎のおっさんに疑問を抱きつつ、出航。
それにしてもビッグ・マムの暴走を止める唯一のカギであるウェディングケーキが乗っている船諸共始末しようとするなんて、オーブンは一体何を考えているのでしょうか?
これでもしケーキが台無しになればオーブンもペロスペロー諸共寿命を抜かれかねない状況にもなってただろうに…オーブンは法に忠実すぎる故に、熱くなりやすく目の前のことが見えなくなる激情家なのかもしれませんね。
顔は知らなくても…
そして今回の話の陰の主役ともいえるのが元夫のパウンド。 たとえ自分の顔を知らなくとも、変態呼ばわりされようとも、自分の娘の幸せのため、そして目的達成のため化け物と称されるオーブンを足止めする。
オーブンの注意を引いたことでベッジの船は無事出航できたものの、オーブンの攻撃を受けパウンドは生死不明に。
出番は少なかったものの、自らの命を賭してでも娘を守り切ったパウンドはまさに父親の鑑でしたね。
用済みのパウンドほか夫たちを捨てたり、巨人族の兵力を得る千載一遇のチャンスをふいにしたローラと瓜二つのシフォンに虐待するビッグ・マムとは対照的に描かれていたため余計に印象に残りました。
というかホールケーキアイランド編、メインキャラの死亡シーン多くないですか? 確認できるだけでもモスカート、オペラ、そしてペドロの3人が命を落としてますし…
おわりに
というわけでワンピース88巻のネタバレ付き感想をいろいろ語ってみたわけですが、今回の感想を一言で言うと「ピンチの連続」。
それぞれがビッグ・マムの暴走を止めるため、そして無事縄張りから脱出するために全力を尽くして戦っているわけですが、まだ一難去ってまた一難という感じでピンチを脱してもまた新たな災難が降りかかってきて一味も我々読者も一瞬たりとも気が抜けない状況が続きます。
しかし果てがないように見える戦いの中でそれぞれ活路を見出したのも事実。 次回89巻では何か大きな進展があるのではないかと期待しています。
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