早いもので、仮面ライダービルドの物語も折り返し地点に差し掛かろうとしています。
これまでに様々な人物や戦士が登場し物語をかき乱していますが、中でもひと際怪しい人物の1人がブラッドスターク。
ライダーの強さを測ったり、独自の目的のために簡単に人を裏切ったりと先の読めない行動で登場人物だけでなく視聴者をかき乱しています。
今回はそのブラッドスタークのこれまでの行動や彼に関する謎についてまとめたいと思います。
※この記事には、「仮面ライダービルド」24話までのネタバレが含まれます。 閲覧の際にはご注意ください。
ブラッドスタークとは
ブラッドスタークとは、ネビュラガスを使った人体実験を行う秘密結社「ファウスト」の幹部で、創設メンバーの1人。
胸とマスクにはコブラの紋章が刻まれており、腕から毒針を伸ばしたり、紋章から巨大なコブラを召喚して攻撃することができる。
ライダーシステムおよびトランスチームシステム開発者の葛城巧曰く、「仮面ライダー最強のライバル」として制作され、ボイス変換機能があるほか相手のハザードレベルを計測し、戦闘を行うことで上昇させる機能が搭載されている。
更に手のひらから吹き出す煙を浴びせることで、人間の顔を変えると言った芸当も披露した。
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その正体は、カフェナシタのマスターであり、記憶喪失だった桐生戦兎の親代わりをしていた石動惣一で、スターク変身時は正体を隠すために別の声(声優:金尾哲夫さん)に変えている。
相手の顔を変える能力は、スターク特有のものではなく惣一本人が火星で身に着けた能力とのこと。
劇中での行動(第24話まで)
本編開始10年前、宇宙飛行士だった石動惣一は「極プロジェクト」の一員として火星探査機に乗り、火星で強大なエネルギーを秘めた箱「パンドラボックス」を発見し地球に帰還。
その後行われた火星探査機帰還セレモニーにて、惣一は何を思ったか警備員の制止を振り切り、パンドラボックスに触れた。 次の瞬間、パンドラボックスからまばゆい光があふれ、巨大な壁「スカイウォール」が現れ日本を「東都」「西都」「北都」の3つに分断してしまった。
本人曰くなぜあのような行動を起こしたのか自分でもわからなかったらしく、この「スカイウォールの惨劇」が起こり、暴れまわったのちにパンドラボックスの近くで意識を失っていた娘の美空と共に病院に搬送された。
しかし1か月後に病院を脱走、それから7年後に東都のパンドラボックス特別顧問に就任、保管してあったパンドラパネルがファウストに盗まれると同時にやめている。
惣一がブラッドスタークとしてファウストの幹部になり活動を開始したのはこのあたりの期間。
ある時、ファウストの生みの親であり悪魔の科学者と呼ばれた葛城巧がファウストをやめる、邪魔するのならばファウストの存在を世間に公表すると脅すが、スタークはそれに臆することなく葛城を気絶させる。
その後、「新薬のバイト」と偽り葛城の家に呼び出した佐藤太郎を殺害、自身の能力で2人の顔を入れ替えた。
こうして誕生したのが葛城の頭脳と佐藤太郎の顔を持つ「桐生戦兎」であった。
更にスタークは「葛城巧が万丈龍我という男に刺された」と警察に嘘の通報をし、同じく新薬のバイトとして呼ばれた龍我に葛城殺害の罪を着せた。
その後自身の能力で戦兎の記憶を消した状態でカフェナシタの近くに放置し、彼が目覚めるタイミングを見計らい、(もちろん石動惣一の姿で)あたかも側で倒れている記憶喪失の男を見つけたかのようにふるまい、カフェナシタにかくまった。
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彼の娘の美空に対しては、手首に金色のバングル(25話の予告によると、これも火星で見つけてきたものらしい)を付けた状態でファウストに捕らえ、その能力でネビュラガスの成分を浄化させフルボトルを生み出させていた。
しかし自身の浄化能力が悪の組織に利用されていることを知った美空は、精神状態が不安定となり浄化ができなくなってしまった。
そこで惣一は、美空の浄化能力を「仮面ライダーと言う正義の力のために使う」ためのマッチポンプ(自作自演)をすることを思いつき、戦兎や龍我を仮面ライダーに仕立て上げ利用(惣一曰く「仮面ライダーごっこ」)した。
この時戦兎たちには「虫けらのように人を殺すファウストを許せない」と語っており、パンドラパネルとボトル、ビルドドライバーもファウストから盗んできたと偽った。
戦兎と龍我がブラッドスタークと対峙した時も、敵対する時もあれば自分の目的のためにあえて逃したり味方に付いたりするときもあり掴みどころがない。
同じくファウストの幹部であるナイトローグ/氷室幻徳とは一応組織の目的で行動しているものの、自身の計画を最優先させることもあるため彼を苛立たせることも多々あった。
戦兎たちがスターク=惣一であることを突き止めた後も、戦兎が開発したスクラッシュドライバーのデータをコピーしそれを北都に横流ししたり、自身の本性や目的を語ったり、ナイトローグの正体が幻徳であることを戦兎たちに教えたり、幻徳に戦兎の正体が葛城巧であることを教えたりと両陣営の間で暗躍。
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東都と北都の全面戦争が勃発した後は主に北都首相の多治見喜子の側につき、一海や三羽ガラスを兵器として雇ったりする一方で、戦兎に禁断のアイテム「ハザードトリガー」を使うように誘導したり、代表戦の直前に戦兎に北都と西都のボトルを与えた。
北都と西都のボトルを使ったベストマッチフォームをビルドに使わせた時も、戦兎らの敵であり全ての悲劇の元凶とは思えないほど熱く檄を飛ばしているが、まあこれも100%本心ということはなく、自分の思惑通り動いてくれないと困るからだろう。(多分)
そして代表戦が東都のビルドの勝利で終わったと同時に、スタークの罠で密かに手を組んでいた西都首相「御堂正邦」の指示で西都のガーディアンと仮面ライダーローグを北都の首相官邸に襲撃させ、北都は西都に制圧された。
このように、どちらの側にもつかず、まるで人形遣いのように巧みに周囲の人間を操り暗躍する、まさにゲームメーカーと言っても過言ではない、狡猾で腹の底が読めない男、それがブラッドスターク/石動惣一なのである。
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残された謎
しかし、この「仮面ライダービルド」という物語において最も謎の多い人物の1人がこのスターク。
壮大な計画とは何か
惣一曰く、彼が家族同然の仲間や自身の娘さえも利用するのは「壮大な計画」のためである。
その計画がいったい何なのかは現時点では不明。
また、この計画と関連があるかどうかは分からないが、惣一は東都の仮面ライダーである戦兎と龍我の成長を望んでいる。
スタークに変身して戦闘する際たびたび2人のハザードレベルを計測していたのもこのためだが、これがどう惣一の計画に関連してくるかもやはり不明。
これはあくまでも私の仮説ですが、パンドラボックスを取られた怒りから火星人が攻めてくると予測した惣一は、ライダーシステムを葛城及び戦兎に作らせ、戦兎と龍我を鍛えることで火星人の侵略に備えたのではないかと思います。(十中八九外れると思いますが)
万丈龍我にこだわるのはなぜか
そして惣一がライダーシステム装着者の1人として万丈龍我に目を付けたのも気になるところ。
葛城巧(の顔をした佐藤太郎)殺害の罪を着せて人体実験のモルモットを調達する際、不特定多数の誰かを選ぶのではなく万丈龍我を名指しで狙っているあたり、葛城と同様に過去に何らかの接点があったことが予測されます。
しかしどういうきっかけを以って龍我に狙いを定めたのか、龍我にどんな力が秘められているのか、そこらへんも謎を解くカギになりそうです。
石動惣一は本当に悪人なのか
今のところ戦兎から見れば敵でありながら時に協力者になりうるというどっちつかずな立ち位置にいるスターク/惣一ですが、彼は一体どのような結末を迎えるのでしょうか?
なんせ今の飄々としたキャラクターでは予想がかなり難しく、最後にラスボスとして登場するのか最終的に戦兎の味方になるのかわからないというのが正直なところ。
仮面ライダービルドのストーリーを引っ掻き回す石動惣一、今後のストーリーでも彼の動向に目が離せません!