2019年8月25日、仮面ライダージオウが無事最終回を迎えました。
平成仮面ライダーシリーズ20作目&平成最後の仮面ライダーということで、全ての平成ライダーの力を手にした常盤ソウゴがオーマジオウになるも、次は仲間とともに王への道を進むために世界をリセットしもう1度やり直すことを決意するというまさかのラストを迎えました。
今回は、仮面ライダージオウが最終回を迎えたことを記念して、1年間見てきた感想やら評価をいろいろと書いていこうと思います。
サプライズの連続
まずジオウを語る上で欠かせないのが、物語を彩ったレジェンドの皆さん。
これまで平成仮面ライダーシリーズに出演した俳優さんがゲスト出演し、番組を盛り上げてくれました。
結果として20作品の中で、クウガを除くすべての作品から最低1人はレジェンドが出演、うち10作品(+映画に出演した1作品)は主役が登場するという、本当に豪華中顔ぶれとなっていました。
その中でも、同じく記念作品である門矢士/仮面ライダーディケイドと海東大樹/仮面ライダーディエンドは序盤から終盤にかけて登場、もはや準レギュラーと言ってもいい大活躍を見せました。
その上次回予告や公式ツイッターも、放送の前の週に何の予告もなくサプライズのごとく次のレジェンド出演情報が明かされることもあり、私たちファンが毎回文字通り驚くと同時に、次は誰が登場するのかとワクワクしていました。
映画ではこのサプライズがさらにパワーアップ。 誰が登場するのかは映画公開まで情報統制を徹底し、一部スタッフやキャストにさえも明かされていなかったほど。
そしてこの努力が功を奏し、映画館に足を運んだ人の多くが度肝を抜かれる結果になりました。 あれは本当にビビった…。
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王になるための覇道
数多のレジェンドが登場したジオウの物語ですが、そのストーリーも評価ポイントです。
本作は、幼いころから王様になることを夢見る普通の高校生常磐ソウゴが、仮面ライダージオウの力を手に入れ最高最善の魔王になるという物語。
レジェンドの登場が最大の特徴になっているジオウですが、それを差し引いてもジオウの物語はなかなかに見ごたえのあるものでした。
最初は2009年の事故で両親を失い、その突飛な夢ゆえに大叔父の順一郎を除き周囲からも孤立していた常磐ソウゴでしたが、オーマジオウ誕生を阻止するために未来からやって来たゲイツとツクヨミ、そして自身を我が魔王と崇める預言者ウォズと出会います。
タイムジャッカーや白ウォズ、加古川飛流の妨害を切り抜け、時に対立しながらもソウゴは仲間たちと絆を育み、ついに最終話でオーマジオウとなり、世界の崩壊を食い止めました。
しかしここまで仲間たちや歴代ライダーたちの支えがあったからこそここまで来れたことを知るソウゴは、この世界をリセットし仲間たちと共に最初からやり直すことを選んだ。
未来人や歴代ライダーとその関係者たちに出会い、オーマジオウとなるも仲間たちのいない世界を否定して創造しなおし、最終的には1周回って「普通の高校生」となるという構成は見事だと思いましたし、最終的に失われた平成ライダーの歴史も修復されたのも良かったと思います。
アナザーライダーの誕生&ライドウォッチによって平成ライダーの歴史が消えてしまい、最終話で元に戻ってほしいと見ながら願っていたので、そういう意味ではこのラストは好きですね。
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アナザーライダー全員集結
それからもう1つ、仮面ライダージオウで自分が評価したいと思っているのが本作の怪人、アナザーライダーについて。
平成仮面ライダーそのものを怪人化するという、今までありそうでなかった設定とデザインでファンからも好評。
実は、ジオウの放送が始まったばかりの頃、私は「本編に登場するアナザーライダーは平成2期だけで、1期はファイズと映画の電王とクウガだけなんだろうな」と高を括ってました。
ここ最近の平成ライダーは、製作費節約のため中盤以降に登場する怪人のスーツはすでに登場した怪人を再登場させているか、改造ないしリペイントしているものがほとんど。 作品によっては、一般怪人がまるで戦闘員と同じように何度もかつ多数登場することもあります。
ここ最近はこんな感じだったので、どうせアナザーライダーは(特に平成1期は)少ししか出ないんだろうなと半ばあきらめていました。
しかしいざ蓋を開けてみれば、アナザーライダーが出るわ出るわ。 43話の時点で20ライダー中18のアナザーライダーが集結していますし、飛流の像で残り2体(ドライブとディケイド)もいずれ登場することが示唆されていました。
そしてその次の44話で、多くのファンの予想通りアナザードライブとアナザーディケイドが登場。 これを以って全平成ライダーのアナザーライダーコンプリートを達成しました。
スーツの使いまわしが多い昨今に、ほぼ使いまわしなしでアナザーライダーを全員分出してくれただけでも、個人的に高評価だと思いますw
映画も感動もの
そして映画館で公開された2つの映画(「平成ジェネレーションズFOREVER」と「Over Quartzer」)も、テレビ本編に負けず劣らずのクオリティ。
先ほどのサプライズゲストもさることながら、記念作ということで平成ライダーをテーマにしており、前者は「平成ライダーの存在」、後者は「歴史としての平成ライダー」という切り口で描いていました。
20人の平成ライダーたちが一堂に会するクライマックスはテンションが上がりますし、それに至るまでの物語も感動の一言。 いずれも、今まで平成ライダーを愛してきた私にとっては何度も見たくなる最高の作品だと思います。
やっぱり消化不良もある
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とまあ個人的には満足なジオウなんですが、やっぱり不満がないわけではありません。
テレビ本編はどちらかというと伏線とか見どころをたくさん用意しておいて、勢いやその場のノリ重視なところが多い印象で、その分伏線や謎がいくつか残っていてちょっともやもやしました。
第1話のウォズの「使い方はご存知のはず」の台詞、スウォルツが2000年生まれの子どもを狙った理由、映画に出てきたバールクスの正体など、本編や映画では回収しきれなかった伏線が残されたのが残念だと思いました。
それから、「仮面ライダービルド Be The One」のラストの、歴代ライダーと怪人軍団の戦いのシーンも未だに謎のままだったのは惜しいところ。
ジオウの物語自体も、ソウゴの変身するオーマジオウの力で世界がリセットされ、2018年9月に戻されたので、ジオウの存在そのものはこの時点ではまだ現れていない状態。
とりあえず全員救われてハッピーエンドになったのはいいんですが、ソウゴがジオウの力を手にしていない状態でどうやって冬映画につながるのか、やはりここも消化不良でもやもやを感じた部分ではあります。
そこらへんの未解決部分は今後のVシネマや映画で解決することはいいと思いますが、欲を言えばテレビで出した伏線は簡単にでいいのですべて回収してほしかったなと感じました。
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とまあいろいろ書きましたが、ジオウは細かいところをあまり気にしなければ最初から最後までクライマックスで楽しめる、記念作にふさわしくレジェンドが登場しまくるお祭り作品だと思います。
ジオウのおかげで平成ライダーの歴史を再認識できましたし、今までずっと平成ライダーが好きでよかったと思っています。
今月を持って平成仮面ライダーの歴史は幕を閉じ、9月から令和仮面ライダーがスタートしますが、クウガ~ジオウまでの20人の仮面ライダーの活躍はいつまでも私たちの心の中に残ることでしょう。
仮面ライダージオウ、1年間私たちに興奮と感動をありがとう!
平成仮面ライダーよ永遠なれ!
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